兜町界隈の鰻屋「松よし」
- By: Uchidatoshio
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昨年(2020年)末から年初にかけて千葉テレビでドラマ「結婚できない男」が放映されました。第3話から最終12話を録画して、今年になってから見ています。この番組は、2006年の7月から9月にかけてフジテレビで放映されました。阿部寛がこだわりの強い偏屈な独身男性の桑野信介を好演しました。桑野信介の素振りや行動は、周囲の人々を呆れさせたることが多く、皮肉的な発言は相手を怒らせたり困惑させます。しかし、建築士としては優秀で、皮肉的な言動とは裏腹に優しい内面があり、夏川結衣演じる女医の早坂夏美先生との掛け合い、周囲の人々との関わりで思わず笑わされるコメディーです。フジテレビで見たのも第3話からで、今回も第3話から見ました。いつかは1話と2話も見たいと思います。
さて、このドラマを見ていると、桑野信介の建築設計事務所の建物が映し出されます。すごくレトロ感があり、丸窓が1つある3階建て(実際には4階)の歴史的建物です。ドラマの中でこの建物を映し出すと近くに大きな建物が写り込みます。東京都中央区日本橋兜町にある東京証券所です。ドラマの中で設計事務所の建物を映すと周囲が気になりつい見入ってしまいます。
私は、証券会社に勤務していたことがあります。日本橋の証券会社に入社し、証券管理部という部署に配属されました。取引所市場館に行く用事はありませんでしたが、その周辺の他の証券会社に行く用事はあり、取引所の近くを歩きましたが、ドラマの中の建物の記憶がありません。どこにあるのか気になりました。ドラマの建物の隣が成瀬証券だったので、地図で撮影に使われた建物を探しました。ドラマの建物が山二証券の建物だとわかりました。みずほ銀行兜町支店奥に成瀬証券が隣接しその隣の建物が山二証券で、道を隔てると証券取引所です。
取引所では、現在は紙に印刷された株券というものはありません。しかし、当時は株券があり、朝から晩まで株券を数えて、日本橋茅場町にある日本証券決済という機関を通して他の証券会社と受け払いをするのが業務でした。お昼は、パッと出て、サッと帰って仕事をするのが毎日でした。
ランチに茅場町の裏路地をとおると、暖簾に「松よし」と書かれた鰻屋さんがありました。開け放れた格子窓から燃えた炭の匂いと鰻とたれの焦げた匂いが一緒になってモクモクと辺りに漂います。思わずいい匂いと思います。忙しくて限られた時間ではなかなか松よしには入れません。
それでも、時間に余裕があった日があったのだと思います。松よしにうな重を何度か食べに行きました。ただし、数えるほどです。だから記憶は定かではありませんが、暖簾をくぐると土間にテーブルと椅子がいくつかあり、その奥に畳の部屋が有ったようです。
うな重は、「松、竹、梅」と言って注文しますが、梅しか頼んだ記憶がありません。出てきたうな重の鰻は、梅でも十分な大きさで、その身はふかふかで柔らかく、すごく美味しかった印象があります。いつかまた松よしのうな重が食べたいなと思っていました。「結婚できない男」を見て、茅場町の松よしが気になって。インターネットで松よしを検索しました。
私が茅場町かと思っていた所は、実際には兜町でした。地下鉄東西線茅場町駅からすぐのところだったので勘違いをしていました。そして松よしは、2018年12月28日に閉店していました。後継者がいなかったため、創業70年の歴史に幕を閉じたとのことです。幾度も通ったというお店ではありませんが、またいつか行きたいと思っていたので、寂しさを感じました。私は、固焼きの鰻よりふかふかの鰻のほうが好きです。
余談になりますが、「結婚できない男」を見ていておかしいと思ったことがありました。金田が出てこないのです。「金田」とは、桑野がインターネットでブログの更新をチェックしている人物で、高知東生が演じて以前はドラマの中に出ていたはずです。高知東生が何か事件を起こした記憶があります。高知東生が顔を出すシーンが全て削られていました。せっかくの面白いキャラクターが一人かけていたのが残念です。
私は、以前から思っているのですが、出演者の一人が事件を起こしたからと言って、配役を差し替えたり編集したり、放映を取りやめることに違和感を持ちます。演劇等の作品は出演者やスタッフや関係者のみんなの努力でできているものです。劇等に関係ないのに、出演者に犯罪行為が有ったからと言って、作品に手を加える事に反対します。また、出演者の違法行為と俳優としての業績は別に分けて考えるべきのものではないでしょうか。「罪を憎んで人を憎まず」だと思うのです。